★★★ 第4回新世紀実学経営フォーラム ★★★  

SDによる日本経済モデルの検証
20041023日(土)13時〜17

2001年から毎年開催してきました新世紀実学フォーラムでは、システム・ダイナミックスの実用的な適用可能性について、「経営問題」、「電力問題」、「環境問題」を取り上げてまいりました。
今回、最終回として「経済問題」を取り上げます。経済問題は我国全体にとって大変重要な問題であるだけに、多くの皆様が関心をお持ちのことと思います。
今回は、経済学者が最近の計量経済モデルについて、概要をお話した後に、SDモデルの経済問題への適用について具体的にモデルをお示しし、日本経済について論じます。
SD関係者だけでなく、経済あるいは経営の分野でご活躍の方々にもご出席いただき討論に加わっていただきたいと思っています。

開催期日 :20041023日(土)13時〜17
開催場所 :中央大学後楽園キャンパス6号館 6202教室⇒変更後:5号館5138教室
      http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/access/access_korakuen.html
主催者  :JSD学会
担当者  :JSD日本経済モデル研究分科会(主査 小林秀徳)
資料代  :1,000円(当日受付 :但し、JSD会員は無料)
申し込み :準備の関係で参加者の情報を21日までにお送り下さい。
      送り先 jsd-keizai-model@yahoogroups.jp
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      お名前:
      所属 :
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      電話 :
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      会員?:JSD会員 
         (会員でない場合には消去してください)
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問合せ :不明な点は事務局までお問合せ下さい。
        jsd-office@yahoogroups.jp

☆☆☆☆☆☆ プログラム ☆☆☆☆☆☆
【 基調講演に代えて 】
13:00-13:30 ”日本再生に「痛み」はいらない”
 岩田規久男(学習院大学 経済学部)

  注:2004131日に開催したJSD総会記念講演会の講演内容について要約を代講する。
 代講者 今別府 忍(NTTコムウェア株式会社 NTT営業本部)  
《要旨》小泉純一郎首相は「改革には痛みが伴うが、痛みなくして成長なし」という。
しかし、構造改革を進めるために「痛み」を我慢する必要はない。
実質で2〜3%の成長、名目で5〜7%程度の成長の下で構造改革を進めれば、低成長ゆえの倒産、失業、自殺などの「痛み」は生じない。デフレから脱却して景気が回復し、経済が順調に成長している状況でこそ、小泉首相が目指すさまざまな構造改革は本格的に進むのである。
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【 講演 】
13:30-14:20 「デフレ不況と旧世代計量経済モデルの限界」
 岡田 靖(学習院大学 特別客員教授)

《要旨》マクロ計量経済分析は、70年代に入って二つの方向に分岐した。
一方は、旧世代モデルの規模の拡大により世界原油需給の予測や、産業レベルでの対外競争力の変化の内生化を行おうとしたが、結果的に失敗に終わった。
もう一方は、モデルの理論レベルでの革新(合理的予想形成や動的最適化の全面的な導入)を目指すものであった。
日本経済は、幸か不幸か、この時期を比較的順調に切り抜けた結果、計量経済モデルの限界を深刻に受け止める必要性が低かったが、90年代のデフレ不況の経験の結果、70年代の米国と同様に伝統的マクロ計量モデルの限界が強く意識される状況となっている。
今回の報告では、こうした方法論的な側面を主に説明する。
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14:20-14:50 「新古典派マクロ経済学に基づく動学モデルへのSD適用の試み」  
 松本憲洋(POSY Corp.

《要旨》フォレスターがビールゲームにより景気循環を研究して以来、SDの特徴であるフィードバックを含む因果関係や遅れの表記法を使って、従来の計量経済モデルを視覚的に表現する試みがなされてきた。しかし経済学では1990年代に入り、マクロ経済の長期的な分析を目指した新古典派的な考え方による”動学的応用一般均衡モデル”が活用されるようになってきている。そこで本論では、SDにより、そのモデル構築、係数決定、シミュレーションの実行を試みる。
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15:10-16:00 「SDによるバブル期以降の経済動向の可視化」
 内山 章(九州電力株式会社 経営管理室)

《要旨》バブル期以降の経済動向について,「Causal Loop(因果関係図)」などのSDの手法によって可視化を行い,その有益性について考察する。更に,SDの大きな特徴であるフィードッバックループに着目し,「日本経済モデル」を構築し,バブル発生などのメカニズムなどについて考察する。
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16:00-16:50 「21世紀日本経済の展望」
 小林秀徳(中央大学 総合政策学部)

《要旨》21世紀日本経済の展望をSDを用いた長期予測に基づいて行う。
モデリングは経済理論にしたがってなされているので、予測が的を射ているか否かによって真価を問われるのはSDよりも経済学の方である。脱産業社会へ向けての構造変革がもたらす長期的なインパクトを産業社会のモデルで予測すれば、そこには暗い未来像が描かれるのみ。
経済理論を離れてSDが真価を発揮するようなモデリングにより、明るい未来を展望し得ることを示す。
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【 新世紀実学経営フォーラムの終了にあたって 】
 松本憲洋(JSD総務担当理事) 


 


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