システムダイナミックス学会会員の皆様
日頃より学会活動にご協力いただきありがとうございます。
さて、皆様方に広く協力していただきたいことがあり、このメールを差し上げています。2月に行なわれた総会後の情報交換の席上、初等中等教育にシステムシンキングあるいはシステムダイナミックスを導入するためには、先生方に学習しその利点をご理解いただく必要があるので、サウンディングとして短時間の講習会を実施してみようと言うことになりました。
その内容は後述します。このサウンディングが好評であるなら、例えば学会の中に教育分科会を構成することになっても良いのではないかと思っています。
そこで、会員の皆様方にお願いと言うのは受講される先生方を紹介していただけないでしょうか。若い会員の方は、卒業された学校のこれはと言う先生を是非お誘いいただきたいし、お子様が学校に通っている会員の皆様には期待の持てる先生を是非誘っていただきたいと願っています。
どうか、システムダイナミックスの普及のためにも、日本の学校教育で系統だったものの考え方が子供たちに教育されるようになるためにも、会員皆様方のご尽力により最初の一歩を踏み出すことができるよう、よろしくお願い申し上げます。なお、ここから後はお誘いいただく先生方にご覧いただくことを前提にして書いていますので、会員の皆様方には冗長でございますがご容赦下さい。 (文責:松本憲洋)
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タイトル:小中高等学校教師向けシステムダイナミックス(SD)講習会
−思考力を養うためにITを活用した総合学習を目指して−
主催 :中央大学研究開発機構・システムダイナミックス学会日本支部
期日 :2002年3月30日(土)13時〜17時30分(休憩:15時〜15時15分)
場所 :中央大学市ヶ谷キャンパス2319教室
東京都新宿区市谷本村町42−8 参加申込者には地図をお送りします。
人数 :20名(コンピュータの数の制限で)
費用 :無し(教材等実費に対する喜捨は自由)
募集人数:20人(PCの制限のため)
配布 :CD(当日使用するプログラムとモデル)、テキスト
講師 :森義仁(お茶の水女子大学)、松下正則(中央大学研究開発機構)
松本憲洋(中央大学研究開発機構)
申込方法:このメールの最下段に記載しています。
内容 :
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システム思考・システムダイナミックスとは?
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SDを活用した授業の例として、化学、物理、歴史の一部について教材として作成したモデルをPC上で動かしながら授業の進め方について実践的に提案・説明します。例えば、物理に関してはカーリングのモデルを使って「運動とエネルギー」の章への適用について話します。
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”システムダイナミックスを学ぶより慣れる”フリーのソフトを使って、簡単なモデルの作り方を実習していただきます。
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今回の体験を踏まえて、授業での効果について討論していただきます。今回の講習でお使いいただくフリーのSDソフトと説明に使ったモデルはお持ち帰りいただきますので、後日再度確認していただけます。
参加資格:以下の2つの条件を満たす方
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PC上でワードとエクセルが何とか使えれば実習には十分です。
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連絡はメールでしますので、メールアドレスを持っている現役の先生、または教育学部の学生、またはそれに準じる方。
セミナーの狙い:
小中高等学校の教育に関しては全くの素人の講師陣ですが、大学生、社会人の理科離れ・数学嫌いには危機感を感じています。また最近では、義務教育における授業時間の短縮による量の削減を、今回の教育改革と情報インフラ活用などによる質向上でカバーできるのだろうかとの危機感もあります。これらの問題解決策としては様々あると思いますが、システムダイナミックスを初等中等教育へ導入することも有効な一案ではないでしょうか。
さて、このシステムダイナミックスは、ローマクラブの「成長の限界」の世界モデル・シミュレーションで使われた理論です。この本は1972年に出版されていていますので、今年はちょうど30周年にあたります。システムダイナミックスは、工業分野ではあらゆるところで使われている制御理論と同根で極似した理論です。
良く知られている事ですがアメリカでは、K12という幼稚園から12年間の子供たちを対象にした、システム思考とシステムダイナミックスの教育プロジェクトがMITを中心にしてすでに長く実行されてきています。
第2次大戦後、「追いつけ追い越せ」の教育を受けられた方はもはや少なく、ましてやそのような教育に教師として臨まれた方はもうほとんどいらっしゃらないのかもしれません。そして時代は移り、今や追いつく時代ではなく、相互に競争しつつ創造性豊かに新しい世界を先進諸国と共に切り開く立場に日本は立っています。
こんな状況であらゆる分野で物事の本質をつかむことが重要になってきました。そのためにシステム思考の教育は、大変有効であると考えられています。システム思考とかシステムダイナミックスは、自分が問題としている対象の中の構成要素の因果関係を分析して、系統的な考え方に基づいて抽象化しモデルとして再構成し、そのモデルの挙動から対象の本質を洞察する力です。
これはあらゆる教科に関連した能力と考えられています。
日本でなぜこのような教育がなされてこなかったのでしょう。
次のような理由があったからではないでしょうか。
(1)これについて教育学部の教育過程で教えてこられなかった。
(2)それを体験的に学習する適当なインフラが整備されていなかった。
(3)日本人はもともと、全体的なコンセプトから出発するよりも、一部の
構成要素から積み上げ式に物事を築くのが得意である。
今回のセミナーでは、システムダイナミックスに可能性を感じておられる先生方に、システム思考あるいはシステムダイナミックスの内容を体験的に知っていただき、教育手段としての可能性を評価していただきたいと考えて計画しています。さらに、可能性を見出していただけた先生方にはこれによる教材作りの活動に取り組んでいただけるのではと期待しています。
系統的に物事を考える力をつけた、より広い視点から物事の本質をつかめる子供たちが増え続けることを最終的な狙いとしています。
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お申込み方法:下記のセミナー・ウェブサイトからお申込みのメールをお送り下さい。
http://www.posy.co.jp/news-seminar2330.htm
お問い合わせは下記までお願いします。
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松本憲洋 〒162-8473 東京都新宿区市ヶ谷本村町42
中央大学研究開発機構2824研究室
kenyou@tamacc.chuo-u.ac.jp
Tel. :03-5368-3665(ダイアルイン) or 070-5009-3387
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